《千利休の四規七則とは?》
一つずつ詳しく解説!


マッチ

このブログの記事投稿をしています。

茶道歴:7~8年。
高校で茶道部に入り、その後茶道教室に通う。
茶道教室に入って4~5年経ったところ。
現在、許状は「大円之草」まで取得。
お茶名の取得を目指して奮闘中。

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はじめに。四規七則とは?

四規七則とは、茶道において大事にしなければならないとされる項目について、茶道の祖と言われる千利休が示したものです。
四規七則は四規と七則にわかれており、まとめるとこんな感じです。

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それでは詳しく見ていきましょう~!


 四規-和敬静寂(わけいせいじゃく)

四規とは、「和敬清寂わけいせいじゃく」のことを指します。
和敬清寂について、三省堂 新明解四字熟語辞典では以下のように記されています。

茶道で、主人と客が互いの心を和らげてつつしみ敬い、茶室の品々や雰囲気を清浄な状態に保つこと。千利休の茶道の精神・境地を表した語。

「和」「敬」はともに主客の心得を、「清」「寂」は茶庭・茶室・茶器などに関する心得をいう。

三省堂 新明解四字熟語辞典

和敬清寂を一字ずつ嚙み砕くと以下のような意味になります。

和敬清寂とは

」:互いに仲良くしましょう
」:お互いを敬う心を持ちましょう
」:清らかでいましょう
」:静かで何事にも乱されない不動の心を持ちましょう

つまりどういうこと…?

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具体的な例とともに解説しますね!

 「和」:お互いに仲良くしましょう

「和」というのは、主客(亭主と客)同士も客同士も皆仲良く、その場の一体感を大切にしましょうという意味を持ちます。
千利休が生きていたのは、戦国時代から安土桃山時代。そんな時代で茶席に招かれるのは、武士や大名、茶道に精通した商人など様々な地位や生業の人たちです。
そんな人たちが一堂に会する茶室の外には、“刀掛”が設置されています。これは、茶室の中では位などは関係なくただお茶を楽しみましょうという意味合いが込められています。

武士たちにとって大切な刀を手放すということは、

相当な覚悟が要りそうだね。

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信頼関係があってこそ、お茶会が成立するんですね。

 「敬」:お互いを敬う心を持ちましょう

「敬」というのは、茶席を共にする者の立場や身分の違いに関係なく、皆が分け隔てなくお互いを思いやり、敬う心を持ちましょうという意味を持ちます。
濃茶こいちゃを飲むときには、茶席に招かれた客全員でまわみ(一つの茶碗に入ったお茶を全員で飲み回す)をします。
このときに、主客しゅきゃく(一番最初に座る客)が自分が一番地位が高く偉いからといって多く飲みすぎると、他の客の分がなくなってしまいます。
茶席ではお互いを思いやって、皆が平等にお茶を楽しめるよう配慮する必要があります。

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濃茶の回し飲みについては、

以下の記事で詳しく説明しています!

また、「敬」には、人は自然に生かされていることを知り、万物に感謝しましょうという意味合いもあります。

抽象的すぎてよくわからないね…

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たしかに“生かされている”というと大袈裟に聞こえますね。

ですが、案外身近なところに自然はあります。

現代社会では忘れがちですが、人は自然に生かされています。
例えば皆さんが口にするお水やお米、今住んでいる土地、あらゆるものに自然が絡んでいます。
茶道においても、釜の湯、茶葉、お道具に使われている木や銅、床の間などに飾る茶花など、様々なところで自然のものが取り入れられています。

 「清」 清らかでいましょう

「清」というのは、主客ともに清らかな心で茶席を共にしましょうという意味を持ちます。
また、亭主は茶席を準備する際に、露地や席中を綺麗に整え、客は茶席に入る前に身だしなみを整えましょうという意味合いもあります。

 「寂」 静かで何事にも乱されない不動の心を持ちましょう

「寂」という字は『び』にも使われていますが、不必要なものを取り払った後に残った自然の美しさを見出す心を表します。『寂び』の言葉にも通じますが、茶道をする上では、「和」、「敬」、「清」の3つを心得て邪念を取り払い、その場のことだけに集中することが大切だと説かれています。
この不動の精神は、茶道を極めていくなかで習得することができます。

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これはなかなか難しく、

私はお点前の最中に違うことを考えて

手順を間違うことが多々あります。

まだまだ修行が必要ですね。


 七則-利休七則

七則とは利休七則のことを言います。
『南方録』において利休が茶の極意を問われ、「夏ハイカニモ涼シキヤウニ、冬ハイカニモアタ丶カナルヤウニ、炭ハ湯ノワクヤウニ、茶ハ服ノヨキヤウニ、コレニテ秘事ハスミ候」と答えたとされています。

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読み砕くとこんな感じです。

利休七則とは
  1. 茶は服のよきように点て
  2. 炭は湯の湧くように置き
  3. 花は野にあるように
  4. 夏は涼しく冬は暖かに
  5. 刻限は早めに
  6. 振らずとも雨の用意
  7. 相客に心せよ
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それでは詳しく見ていきましょう~!

 1.茶は服のよきように点て

お茶を点てるときは、服加減(お抹茶の量や釜の湯加減など)が良く、美味しいお茶が点つように考えましょう。
美味しいお茶とは、客やお菓子によっても異なります。茶道を始めたばかりの客には少し薄めで口当たりの良いように、お菓子のボリュームが大きいときはお茶の量を多めになど、そのときによって良い服加減というものを考えてお茶を点てることが大切だと説いています。

 2.炭は湯の湧くように置き

炭は、置き方によって釜の湯加減を左右するとても重要なものです。
炭を組むには、炭手前というものがあり、ある程度どの炭をどの順番で置いていくかという手順が決まっています。
ただ、そのときの茶席の状況によって、客にお茶を点てるときに最適な湯加減になるよう、手順にとらわれず最も良い位置に炭を置いていくことが大切であると説いています。

どう炭を置いたらよく湯が沸くの?

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一箇所空気の通り道を作ると、

そこから空気が入って火がいこりやすくなりますよ!

 3.花は野にあるように

花は本来、自然の中に生きるものです。
茶道での花の飾り方は、生け花のように派手に飾り立てるようなことはしません。
茶席の中でも野に咲く花のように、花のありのままの姿を大切にします。

 4.夏は涼しく冬は暖かに

言葉の通り、客をもてなす際は、快適に茶席を楽しめるように工夫することが大切です。
これは、ただ冷暖房設備を使うということではありません。
夏には風炉ふろ、冬にはを使うように、夏には葉蓋はぶたを使った点前、冬には筒茶碗つつじゃわんを使った点前など、季節ごとに様々なお点前があります。
お道具の取り合わせによって、涼しさや温かさを演出することで、季節の移ろいやその風情を客に感じてもらうことが大切であると説いています。

 5.刻限は早めに

客が茶席に招かれた際には、集合時刻よりも早めに準備して余裕を持って向かうように、また、亭主(客を招く側、お点前をする人)はそれを見越して早め早めに客を迎える用意をしておくように、という日本人としての心構えがここでも説かれています。

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お互いに余裕をもって行動すると、

ゆったりとお茶を楽しめますね。

 6.振らずとも雨の用意

これも言葉の通り、想定外のことが起きてもすぐに対応出来るよう、あらゆる準備を亭主も客もしておきましょうということです。

 7.相客に心せよ

相客とは、自分以外の客のことです。茶席では、自分以外の客のことも考えながらお互いに気遣い、思いやることで、皆が楽しくその場を過ごせるようにしましょうと説いています。


まとめ

最後に、あらためて四規七則をまとめは以下の通りです。

茶道に限らず大切なこともたくさんあるね!

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そうですね。

茶道を通して、人間性も成長できる気がします!

四規七則では、茶道の基本が説かれています。
いくらお点前が完璧にできても、これらができていなければ立派なお茶人とは言えません。
茶道を始めるにあたっては、まずこれらを念頭に置いて行動できるよう努力しましょう。

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