≪お茶席でのお菓子の頂き方≫
お菓子の種類ごとの頂き方の手順をわかりやすく紹介


マッチ

このブログの記事投稿をしています。

茶道歴:7~8年。
高校で茶道部に入り、その後茶道教室に通う。
茶道教室に入って4~5年経ったところ。
現在、許状は「大円之草」まで取得。
お茶名の取得を目指して奮闘中。

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はじめに。

茶道教室では、まずお客さんとしてお茶席へ招かれたときの作法について学びます。
お客さんとしてお茶席へ招かれた際には、以下の作法が必要です。
(↓省略している部分もありますが、大まかに説明するとこんな感じです。)

客のお茶席での作法
  1. 茶室へ入る
    ➡ふすまの開閉、畳をにじって入る、床の間・お道具の拝見、自席へつく
  2. お菓子を頂く
    ➡菓子器から懐紙にお菓子を取る、菓子器を次の客へ、お菓子を頂く
  3. お茶を頂く
    ➡(薄茶の場合)亭主に挨拶、茶碗を回す、お茶を頂く、茶碗を清める
  4. 茶室を出る
    ➡お道具・床の間の拝見、ふすまの開閉、茶室を出る

細かい…!
覚えるのが大変だなあ💦

マッチ
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最初は他のお客さんの真似をすれば大丈夫です!

でも基本の作法は知っておきましょう!

今回はこの中でも、お茶室でお客さんとしてお菓子を頂く際の作法について紹介いたします。
お菓子を頂く際の作法は、お菓子の種類によって少し異なります。
なので今回は、お菓子にはどんな種類があるのか、その種類ごとの頂き方について解説いたします。

お菓子を頂く際の作法は、街中のお茶屋さんや和菓子屋さんなどでお菓子やお茶を頂く際にも使える作法です。
茶道教室に通っていなくても、知っておいて損はありません。

✅ 茶道で使用されるお菓子の種類
✅ お菓子ごとの頂き方の作法

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お客さんとしての作法については、

以下の記事でも解説しています!


お菓子の種類

お菓子には、薄茶のときに頂く干菓子ひがしと、濃茶の前に頂く主菓子おもがしの2種類があります。
それぞれ以下のような違いがあります。

 お干菓子

乾いた和菓子のことで、主菓子に対していう。
落雁らくがん有平糖ありへいとう、煎餅などのことをいう。
主菓子に比べて、おつまみのような軽くて一口で食べられるようなお菓子が多い。
また、甘さ控えめのお菓子が多い。

 主菓子

濃茶用の生菓子。
練り切りねりきり上用饅頭じょうようまんじゅうなどのことをいう。
お干菓子に比べて、ボリュームがあり食べ応えがある。
お干菓子よりも甘味の強いお菓子が多い。


お菓子の頂き方の作法

干菓子ひがし主菓子おもがしは、頂くときの作法はどちらもほぼ同じです。
しかし、使用される菓子鉢や箸の有無によって、お菓子を懐紙に取る作法や頂き方が多少異なります。

そこで、お菓子ごとの懐紙への取り方と頂き方の作法について順に説明していきます。

 お干菓子の場合

干菓子ひがしは、平らな菓子盆に2~3種類乗っていることが多いです。

では、具体的な懐紙への取り方と頂き方を見ていきましょう。

お干菓子の懐紙への取り方(手順)

  1. 亭主ていしゅより「お菓子をどうぞ(お召し上がりください)」と言われれば、正客しょうきゃくは受け礼をする。
  2. 次客じきゃくに「お先に(頂戴いたします)」と挨拶をする。
  3. 正客は菓子盆でれい★1をする。
★1 上げ礼の手順
  1. 菓子盆を両手で持つ。
  2. 菓子盆を軽く上げる。=「お菓子を頂戴いたします」の意。
  3. 両手で自分の方に寄せて置く。(畳の縁外)
  1. ふところから懐紙かいしを取り出して、膝前に置く。
  2. 自分の分のお菓子を素手で懐紙に取る。
  3. 両手で菓子盆を持って、自分と次客の間に置く。(畳の縁外へりそと
  4. お菓子を乗せた懐紙を取って、お菓子を頂く。

※次客以降は、正客と同様に2.~6.を行う。

お干菓子の頂き方(手順)

  1. お菓子を懐紙ごと持ち上げる。
    ・片手で持てる場合は左手で懐紙の底を支える。
    ・片手ではお菓子が落ちそうな場合は、膝上に懐紙を乗せて左手を懐紙に添えて支える。
  2. 右手でお菓子を取って食べる。
    ・一口で食べられるものは、そのまま食べる。
    ・一口で食べられない大きさのお菓子の場合は、懐紙の上でお菓子を二つか三つに割って食べる。
  3. お菓子の乗っていた懐紙1枚を小さく折りたたむ。
    ・このときに、手指に砂糖などがついてしまった場合は、折りたたんだ懐紙をつまんで拭く。
  4. 折りたたんだ懐紙を、懐紙の束の真ん中に仕舞う。
  5. 懐紙を着物の懐に仕舞う。

 主菓子の場合

主菓子は、りや羊羹ようかんなど、お干菓子よりもボリュームがあり、また甘さの強いお菓子です。
その特徴から、主菓子は濃茶にぴったりのお菓子です。
一つの大きさが2~3口ほどで頂くほどのものなので、深さのある菓子鉢かしばちや、縁高ふちだかに入っていることが多いです。

では、菓子鉢で頂く場合と、縁高で頂く場合の2種類の手順を見ていきましょう。

菓子鉢(かしばち)を使用する場合のお菓子の懐紙への取り方(手順)

  1. お点前の前に亭主が菓子鉢をお茶席へ持って入り、正客の正面に置く。
  2. 亭主が茶道口に下がり、「どうぞお菓子をお取り回しください」とあり、正客は受け礼をする。
  3. 亭主が茶入を清め始めるあたりで、正客は次客に「お先に」と挨拶をする。次客は受け礼。
  4. 正客は菓子鉢を両手で持って上げ礼(★1を参照)をする。
  5. ふところから懐紙かいしを取り出し、膝前に置く。
  6. 菓子鉢の上の箸を右手で取って扱い★2、お菓子を懐紙の上に移す。
★2 お箸の扱い方
  1. お箸の右端を右手で上から取る。
  2. お箸の中ほどを左手で受けるように持つ。(親指が上)
  3. 右手をお箸を持つ手に持ち替える。
  1. 箸を扱って、懐紙の右上の角でお箸の先を清める。
    (お箸の扱い方は、上記の★2の逆順)
  2. 箸を右手で菓子鉢の上に戻す。
  3. 両手で菓子鉢を持って、自分と次客の間に置く。(畳の縁外へりそと
  4. お菓子を乗せた懐紙を取って、お菓子を頂く。
    ※次客以降は、自分以降の次客に「お先に」と挨拶し4.~6.を行う。

縁高(ふちだか)を使用する場合のお菓子の懐紙への取り方(手順)

  1. お点前の前に亭主が縁高をお茶席へ持って入り、正客の正面に置く。
  2. 亭主が茶道口に下がり、「どうぞお菓子をお取り回しください」とあり、正客は受け礼をする。
  3. 亭主が茶入を清め始めるあたりで、正客は次客に「お先に」と挨拶をする。次客は受け礼。
  4. 正客は縁高を両手で持って上げ礼(★1を参照)をする。
  5. ふところから懐紙かいしを取り出し、膝前に置く。
  6. 縁高を扱って★3 開ける。 ★3 縁高の扱い方
★3 縁高の扱い方
  1. 縁高の一番下の段を残して、最下段より上の縁高を左上にずらす。 
  2. 縁高の上のお箸を右手で上から取り、下段の右下の隙間に預ける。
  3. 下段以外の縁高を両手で取り、自分と次客の間に置く。
  1. 箸を扱って(★2を参照)、お菓子を懐紙の上に移す。
  2. 箸を扱って、懐紙の右上の角でお箸の先を清める。
    (お箸の扱い方は、★2の逆順)
  3. 箸を右手で縁高の中に入れる。
  4. 両手で菓子鉢を持って、自分と次客の間に置く。(畳の縁外へりそと
  5. お菓子を乗せた懐紙を取って、お菓子を頂く。
    ※次客以降は、自分以降の次客に「お先に」と挨拶し4.~6.を行う。
  6. お客さん全員がお菓子を取り終わったら、お詰めから順に縁高を回して、
    自分が使用した段を下に重ねる。

主菓子の頂き方(手順)

  1. お菓子を懐紙ごと左手で持ち上げ、懐紙の底を支える。
  2. 右手で懐紙の中に仕舞っている楊枝を取り出す。
  3. 楊枝でお菓子を二つか三つに割って、お菓子を取って食べる。
    ★あまり細かく刻むと、せっかくのお菓子が崩れて見た目が悪くなります。
     また、お菓子の破片が着物や畳についてしまう恐れもあります。
     このため、楊枝でお菓子を分けるときは、三等分くらいまでにとどめておきましょう。
  4. お菓子の乗っていた懐紙1枚を小さく折りたたむ。
  5. 楊枝の先を折りたたんだ懐紙で拭き清める。
  6. 楊枝を楊枝入れ、もしくは懐紙の間に挟んでおく。
  7. 折りたたんだ懐紙を、懐紙の束の真ん中に仕舞う。
  8. 懐紙を着物の懐に仕舞う。

最後に。まとめ

これまでに紹介した頂き方は、あくまでも一例に過ぎません。
頂くお菓子や、使用しているお道具によって、頂き方は異なります。

様々なお菓子を頂くなかで、その時々に合った頂き方を勉強しましょう!

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