はじめに。
今回は、お辞儀の仕方、ふすまの開け方・閉め方を紹介いたします。
茶道を新たに始める方に向けて、茶道教室では割稽古と呼ばれるお稽古から入ります。
割稽古とは、茶道辞典において以下のように記されています。
点前作法の最も基本となる諸動作を部分的に稽古することをいう。
初心者が点前の稽古に入る前などに行なう。帛紗さばきや茶巾・茶筅の扱いなど。
今回紹介する作法も、割稽古の一つです。
また、この作法はお点前をする亭主だけでなく、客としてお茶席に招かれたときにも必要となります。
一つひとつ詳しく解説していきます。
また、この作法はお点前をする亭主だけでなく、客としてお茶席に招かれたときにも必要となります。
一つひとつ詳しく解説していきます。
この記事でわかること
➡ お辞儀の仕方、ふすまの開け方・閉め方の作法
お辞儀の仕方
茶道では、お辞儀をする場面が多く出てきます。
亭主としてお点前をする前や後の挨拶、お客さんとしてお茶を頂く前の挨拶など、
古来からの礼儀作法が茶道に組み込まれているのです。
茶道におけるお辞儀は、「真」、「行」、「草」の3種類があります。
これは、現代におけるビジネスマナーなどで学ぶ、
状況によって使い分けるお辞儀の角度と考え方は同じです。
「真」、「行」、「草」という言葉は、お辞儀だけでなく様々な場面で出てきます。
➡ 詳しくはこちらの記事をご参照ください(準備中)。
ではさっそく、種類ごとのお辞儀について紹介いたします。
「真(しん)」のお辞儀
お辞儀の仕方
- 正座をした状態で、両手をハの字にして膝前に下ろします。
※このとき、自然と上半身が下にさがりますが、背筋を伸ばしたままです。 - 掌全体を畳につけてお辞儀をします。
大体、胸と膝との間がこぶし一つ分開くぐらいまで下げます。
※このときも、頭だけを下げると背中が曲がってしまうので、
背筋を伸ばしたまま、上半身全体でお辞儀をしましょう。
使用する場面
- 亭主とお客さんが全員で礼をするとき(=主客総礼)
- お客さんがお茶を頂くとき
「行(ぎょう)」のお辞儀
お辞儀の仕方
- 正座をした状態で、両手をハの字にして膝前に下ろします。
※このとき、自然と上半身が下にさがりますが、背筋は伸ばしたままです。 - 手先(指の第二関節)を畳につけてお辞儀をします。
大体、胸と膝との間がこぶし一つ分開くぐらいまで下げます。
※このときも、頭だけを下げると背中が曲がってしまうので、
背筋は伸ばしたまま、上半身全体でお辞儀をしましょう。
使用する場面
- 相客の軽い挨拶のとき
「草(そう)」のお辞儀
お辞儀の仕方
- 正座をした状態で、両手をハの字にして膝前に下ろします。
※このとき、自然と上半身が下にさがりますが、背筋は伸ばしたままです。 - 指先を畳につけてお辞儀をします。
大体、胸と膝との間がこぶし一つ分開くぐらいまで下げます。
※このときも、頭だけを下げると背中が曲がってしまうので、
背筋は伸ばしたまま、上半身全体でお辞儀をしましょう。
使用する場面
- お道具の拝見を請うとき
- お道具の拝見の挨拶をするとき など
お辞儀についておさらい
「真」、「行」、「草」のお辞儀の仕方は、
それぞれ、どこまで畳に手をつけるかによって異なります。
➡ 「真」:掌全体を畳につける
「行」:手先(第二関節)を畳につける
「草」:指先を畳につける
ふすまの開け方・閉め方
ふすまの開閉には、ちょっとした工夫次第で、綺麗に見えます。
ではさっそく、具体的な作法を見ていきましょう。
ふすまの開け方
- 手がかりを近い方の手で持って、ふすまの半分だけ開ける。
※ふすまの縁を持つ位置は、着物の袖が畳につくかつかないかくらいの高さ。
※お客さんとしてお茶室に入るときには、あらかじめ亭主が手がかりを開けてくれています。
手がかりを開けておくことは、亭主側のお茶室の準備が整い、
お客さんに“どうぞお茶室にお入りください”という目印になっています。 - 反対の手で、先ほどと同じふすまの位置を持ち、ふすまを全て開ける。
※ふすまを閉めるときのために、ふすまの縁だけ閉め切らずに残しておきます。
ふすまの閉め方
- ふすまの縁を近い方の手で持って、ふすまの半分だけ閉める。
※ふすまの縁を持つ位置は、着物の袖が畳につくかつかないかくらいの高さ。 - 反対の手で、先ほどと同じふすまの位置を持ち、5㎝ほどの隙間を残して閉める。
- 2.と同じ手で引き手を指先で添えて、ふすまを全て閉め切る。
おわりに。
今回は、お辞儀の仕方、ふすまの開け方・閉め方を紹介しました。
次回は、お客さんとしてのお菓子の頂き方を紹介いたします。
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