はじめに。
茶道具には、実に様々な種類のものがあります。
茶碗や茶杓といったお道具の種類に加え、更にその中でも形や模様(景色)によって同じお道具のなかでも幾つもの種類があります。
それらは、古くからのお茶人や数寄者の知恵や発想から生まれたものであり、それぞれの時代や趣向に合ったお道具が今の時代に引き継がれています。
茶道では、それらの数々のお道具を取り合わせて、お点前を展開していくのです。
このため、お客さんとの立場やお祝い事などのお点前の目的、季節などに合わせて、自分なりの工夫を凝らすことができます。
しかし、お道具を全て揃えようと思うと、色んなお道具屋さんに行って吟味したり、何よりお金がかかるので大変ですよね。
なので今回は、初歩の茶道で使用される最低限のお道具をまず紹介いたします。
お茶道具ってどんなものがあるの?
茶道で使用される最低限のお道具は以下の通りです。
それぞれどんなお道具なのか
ざっくりと説明していきます!
以上、ざっくりと簡単に説明しましたが、一つひとつのお道具を説明しだすとかなりの長文になってしまうので、今回は割愛いたします。
茶道具の代用品 家庭にあるものでお茶を点ててみよう!
先ほど挙げたお道具があれば、お点前や季節ごとに多少のお道具の違いはありますが、様々なお点前をすることができます。
ですが、全部を一度に集めるのはすごく大変です。
お茶道具は、お稽古用であっても一つひとつが精工に作られているため、決して安くはありません。
また、安易に買ってしますと、実際に使用してみて自分の手に馴染まなかったり、実用性に欠けたりすることもあります。
私もあまりお道具のことを知らずに、
ただデザインだけを見て気に入りお茶碗を買ったことがあるのですが、
背の低いお茶碗だったので、お茶を点てようとするとこぼれそうになり、
初心者には難しかったなあと反省しました。
ですので、まずはお稽古を重ねながら、どんなお道具が自分に適しているのか見定めていくことが良いのではないかと思います。
そのため、今回はお家にあるものでお茶を点てられるよう、お道具の中でも、代用品でまかなえるものを紹介したいと思います。
ただお茶を点てるだけの時と、
お点前をする時では、少し使い勝手が違います。
以下で詳しく説明していきますね!
茶碗の代用品 ⇔ 家庭にあるお椀
家庭で使用しているお椀の中でも、ある程度深さがあり口が広いものだと点てやすいです。
(↑浅いとお茶がこぼれる、口が狭いと茶筅を振ることができないといった問題が出てきます。)
茶杓の代用品 ⇔ ティースプーンやマドラー
茶杓に似た形でお抹茶をすくえるものがあれば代用できます。
ただ、茶杓とティースプーンなどでは、それぞれすくえる量が変わってくるので、だいたいの目分量を何度か試してみる必要があります。
(茶杓の場合は、山盛り2杓が薄茶の目安です。)
茶筅の代用品 ⇔ ×なし 代用は難しい
茶筅の代用品はありません。
小さい泡立て器じゃだめなの?
泡立て器だとしゃばしゃばになってしまいます。
お茶を点てる上では、茶筅は不可欠です。
薄茶のきめ細かい泡や、濃茶の練りを作ろうと思うと、泡立て器などでは再現できないのです。
家庭でお茶を点てたいのであれば、茶筅だけは購入しましょう。
茶巾の代用品 ⇔ ふきんやガーゼ、手ぬぐいなど
そもそも茶巾は何に使われるかと言うと、茶碗を清める(綺麗に拭く)ために使われます。
このため、ふきんやガーゼ、手ぬぐいなどで、お茶碗を拭ければ大丈夫です。
もしお点前で代用するのであれば、茶巾のように薄くて小さめのものが良いでしょう。
茶器の代用品 ⇔ お抹茶を買った時の缶
お抹茶を買った時の缶をそのまま代用できます。
ただし、お抹茶を事前に漉しておく必要があります。
お茶を点てるだけなら茶碗に直接茶こしで漉してお抹茶を入れれば良いでしょう。
お点前をする場合には、別の容器に移し替えて必要な分だけ漉して抹茶缶に戻すか、抹茶缶以外の茶器の代用品を用意してそこに漉したお抹茶を入れるかの2つの方法があります。
柄杓の代用品 ⇔ ×なし 代用は難しい
柄杓の代用品はありません。
ただお茶を点てるだけであれば、お茶碗に直接ポットや湯沸かし器からお湯を注げば良いです。
お点前をするのであれば、購入する必要があります。
蓋置の代用品 ⇔ 小さいコップや湯呑
蓋置は、釜の蓋や柄杓を置いておくものなので、ただお茶を点てるだけで釜や柄杓を使わないのであれば不要です。
お点前をする時には、小さいコップや湯呑、おちょこなどが蓋置に似ているので、釜の蓋と柄杓が置けるサイズであれば代用できます。
ただし、釜の蓋は非常に熱いので、耐熱性のものである必要があります。
水指の代用品 ⇔ 柄杓の口が入る大きさの器
水指のお水は、お茶を飲んだ後に茶筅とお茶碗を清めるためにあります。
このため、ただお茶を点てるだけであれば、台所の水やお湯で構いません。
お点前をする時は、柄杓の口が入る大きさの容器があれば代用できます。
画像のような花瓶や壺などが良さそうですね!
建水 ⇔ 耐熱性の容器
建水はお点前やお仕舞い(片付け)に使用したお湯やお水を捨てるためにあります。
このため、ただお茶を点てるだけであれば、捨てるお湯やお水はそのまま台所に流せば大丈夫です。
お点前をする時は、深めで口が大きい耐熱容器にしましょう。
(↑浅いとお湯やお水が飛び跳ねる、口が狭いと上手く容器に入らずこぼれてしまう恐れがあります。)
釜 ⇔ ポットや湯沸かし器、やかんなど
釜はやかんやポットで代用できます。
お茶を点てるだけであれば、ポットや湯沸かし器から直接お茶碗にお湯を注げば問題ありません。
お点前をする時は、やかんや鉄瓶があると良いでしょう。
実際に茶道のお点前の中でも、鉄瓶を使用するお点前もあります。
茶道具は高価なものが多いため、
安易に購入するのは躊躇われますよね。
でも代用できるものも多いので、
上手く代用しながらお茶を楽しみましょう!
最後に。まとめ。
上記のように、お茶を点てるだけならば、正式なお道具がなくても十分に楽しめます。
ちゃんとしたお点前をしようと思うと、本来の正式なお道具を使ったお点前とは少し違ってしまいますが、まずはじめに大切なのは、基本の作法やお点前の手順、お道具の扱い方を覚えることです。
また、茶道でいう“詫び寂び”から考えると、無理に見繕わずに、今あるものの中から工夫してお茶を楽しんだり、学んだりことが大切なのです。
お道具を揃えるのは、茶道教室などでお道具の扱い方や知識を十分に学んだ上で、先輩方に相談しながらゆっくり見定めていくのが良いと思います。
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